ブレーキのクリアランスは短いほどブレーキが良く効くために、短く設定している人を多く見かけます。しかし、クリアランスが短すぎるといくつかの弊害がでてきます。
実は、ブレーキのクリアランスは、①速度制御性、②タイヤロック、③握力消耗、④強い踏み込みによるシュータッチなどに関わってくる意外と重要なメンテンス項目なんです。
ということで、今回はロードバイクにおけるブレーキとリムの間隔(クリアランス)について語ってみようと思います。
速度制御か制動力か
車のブレーキに少し遊びがあるように、自転車のブレーキにもある程度の遊びが必要です。これは急にブレーキが効きすぎてタイヤロックを起こす危険性があるためです。用途に応じて適切な遊びを設けることが大事です。
レース使用なら3mm程度のクリアランスが理想的
ブレーキが良く効くために、1~2mm程度に設定している人を多く見かけます。しかし、この場合、STIレバーの遊びがほとんどなくなってしまいます。
速度制御がメインとなるレースでのブレーキングでは、下り坂なんかだと下ハンドルからブレーキタッチすることもあります。
遊びが少ないと、下ハンドルではテコの原理で力が入りやすいこともあり、タイヤロックしやすくなります。また、幅が広い状態で握らないといけないので、力が入りにくい上に、すぐに握力がなくなっちゃうことも。
これらを考えれば、STIレバーの遊びは少し大きめでとなることが大事です。ブレーキのクリアランスが3mm程度あれば、STIレバーの引き代の半分ぐらいが遊びになり、レースには理想的といえます。
街乗りなら2mm程度のクリアランスが理想的
一方、低速走行かつブラケットポジションがメインとなれば、沢山の遊びを引くのは握力消耗を伴う上に、ある程度急な飛び出しにも対応できるように、制動力が要求されます。
これらを考えれば、STIレバーの遊びはレースに比べて少し狭めにとることが大事です。ブレーキのクリアランスが2mm程度あれば、ブラケットポジションからもSTIレバーの引き代がちょうど良くなり、街乗りには理想的といえます。
ブレーキを開放してホイールが取り外せる
クリアランスが狭すぎるとタイヤの空気を抜かないとホイールを外せなくなるので大変ですね。2-3mm程度のクリアランスがあれば、ほとんどのホイールはスムーズに外すことができます。
ブレーキを変えるという手段も
シマノのブレーキは効き初めが比較的強い傾向があり、街乗りに適しているように思えます。
一方、カンパは握る強さによってブレーキの強さも変わりますのでレースユースにはカンパのブレーキの方が優れていると感じます。